ハ十八体のお地蔵さんがいる円山
円山という山は標高225mで、とても登りやすい山です。八十八ヶ所というのは、四国に八十八ヶ所ある巡礼地にちなんでつけられたものだそうです。
場所は円山公園に隣接しています。広場のある公園から道路を一本挟むと、野球場があります。敷地的には円山公園の敷地になるのでしょうが、野球場から少し離れた山の麓に登山の入口部分があります。
入口に着くまでの林の道も自然豊かで、とても景色がキレイなのですが、その先に進むと登山の入口があるんです。
麓にある大師堂
山の入り口に大師堂という小さな小屋があります。近くに大小無数のお地蔵さんが並んでおり、小屋の奥には仏壇が祀られていて、その手前には賽銭箱とガラガラと音の鳴る本坪鈴もあります。
円山では八十八ヶ所の巡礼地ではなくて、八十八ヶ体のお地蔵さんが並んでいます。お地蔵さんの一つ一つに数字が彫られてあるんですね。
一から八十八まで、麓から頂上までに各所に配置されたお地蔵さんがあるんです。実際には、数字の彫られていないお地蔵さんもありますので、百体以上あるように見えます。
頂上までには20分ほどでたどり着く
頂上までには、大人の足で20分ほど。ゆっくり登っても30分くらいで到着しますので、それほど苦労なく登ることができます。
高齢の方や近くの幼稚園児なども登る姿を見かけますので、初心者であっても登りやすい山です。たまに子供連れで山に登る親子を見かけますが、たくさん並んであるお地蔵さんを見て怖がってる子供もいました。
見え方によっては、そう感じる人もいるでしょうが、お地蔵さんですからね。個人的には怖くは感じませんでした。
ただ、中には頂上から夜景を見るために夜中に登る方もいるらしく、夜に登るとお地蔵さんはちょっと怖く見えるのだそうです。
登っていく途中では、倒れた木や傾斜のキツイ道もありますが、特に困難なものではなく体力さえあれば、だれでも登れることでしょう。
特別自然保護区に指定されている
頂上からの眺めはとても気持ちよく、眼下には札幌の街並みが一望できます。札幌駅にあるJRタワーや西十一丁目にあるプリンスタワーはすぐ見つけられます。
下山する際は道が分かれており、登ってきた道をそのまま戻るルートと、別の出口に繋がっているルートがあります。別の出口へのルートは、登りとはまた別の景色が楽しめますね。
道を下るだけですので、周りの景色を観察しながら進んでいくことができます。登りの時とは違い、街の景色が木々に遮られるのでが見えず、本当に文字通り山の中を歩いている感じです。
途中、運が良ければリスに遭遇したり野鳥も見ることができます。僕が見かけたのは、リスが木の枝で木の実をガリガリ音を立てて食べてる姿。
そして、キツツキらしき鳥ですね。コンコンと音を立てて木の幹をつつくことがするので、すぐに気付くはずです。
特別自然保護区みたいな看板も建っていて、野生の動物たちを保護しましょうという内容の説明がありました。捕獲することはもちろんですが、むやみやたらにエサを上げたりしてはいけないということです。
野生のリスが出没する名所
そのまま下山道を進むと、登ってきた入口とは別のところから出られるようになっており、そこがちょうど、円山動物園の入口付近になっています。
登る時は20分ほどかかった道も、下りの時は10分程度で下れるので、あまり苦労はした記憶はありません。むしろ、もう終わったの?という感覚です。登山というより散歩の延長と言った方がいいかもしれません。
気合いを入れて臨むより、気軽にちょっと登ってみようかという感覚で登れる山です。夏は汗をかくので服装や飲み物、靴さえ、それなりのものであれば、いつでも登れると思います。
さて、下山すると登る時の入り口まで戻るのに、ちょっとした散歩コースがでてきます。加工された木の板でできた散歩道の通路があって、木に囲まれた道をサクサク歩いて進むことができます。
土の上ではないので、靴も汚れません。途中に、小休憩できる広めのスペースに木でできたベンチがあるのですが、そこでよくリスが現れるんです。
ベンチで座ってしばらくすると、どこからともなくリスがやってきてエサを探して来るんですね。ちょこちょこ歩く姿が愛らしく、見ていてとても癒されます。
あまり人間を警戒していないため、近くまで寄ってきて靴に登ったりしてきます。きっとエサが欲しいのでしょうね。
近くにある木の切り株に誰かが置いていったクルミや木の実をみつけ、カリカリと音をたてながら食べる姿をみることもできます。
しばらく、そんな時間を楽しんでから散歩道を再び歩き始めると、山を登るときに入った入口までたどり着きます。
頂上で景色を眺めてぼんやりしたり、下山して散歩道にあるベンチでリスを眺める時間を考慮しても一時間くらいで元の場所に戻って来れますね。本当に散歩がてら楽しめる場所だと思います。